思い出深いご家庭(奇跡の一言)

(前回2/8投稿の続きです)

初めての訪問では家計のこと以外にもご夫婦のご出身やご両親・ご兄弟の状況などをお伺いしました。
ご協力を得られる可能性がないか、また逆に将来の経済的な負担がかかる可能性がないか、知っておくためです。

結果的にはプラスもマイナスもなく、目の前のご家族のことだけを考えることになりました。

家計に関して日ごろは大まかにお聞きして全体像を掴むにとどめるのですが、状況が状況でしたので普段よりは細かくお伺いすることになりました。
二人とも真剣にお話してくださり、その場ですぐにライフプランのシミュレーションをお見せしたいような気持ちでしたが、直感的にかなり“キツい”ものが出てしまう予感がありましたので、日をあらためて再度お伺いすることにしました。

実際にパソコンを使ってシミュレーションをしてみると、「子どもが二人はほしい」「劇団は続けたい」などお二人の希望を叶えようとすればするほど将来の赤字が膨らんでいくジレンマに陥り、“ぎりぎり見せられる画”を描き上げるのにはかなりの時間を要しました。

そしていざ、2度目のご訪問です。

作り上げたライフプランシミュレーションのレポートをお見せしながらお話しました。
専門家の視点から客観的に「お子さんのために定職につきませんか」と言うのは正論かもしれません。しかし私は「お二人の年収の合計が○○万円だった場合」「お二人の年収の合計が□□万円だった場合」という2つのレポートを見せただけでした。
あとは雑談の中で中村家の子育てについてお話を20分したくらいでしょうか。

当時のご主人は“背中を押してほしい”ではなく“価値観を否定されたくない”という心境だったと思います。
なので、その日は多くを語らず、またお会いしましょうと次のお約束をして帰ろうとしました。

すると…

「中村さん、僕たちは中村さんにこれからも一家のことを任せたいと思っています。だから中村さんにお金を払わないといけないと思うので、中村さんから奨められた保険に入ろうと思っています。」

とおっしゃられたのでした。

これは前回(2/8投稿)の冒頭の一言と合わせて、決して忘れられない一言になっています。

(つづく)

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